ドキュメンタリー映画「シリーズ憲法とともに歩む」
 
■憲法の力、国民の力を歴史的に検証
〜『戦争をしない国 日本』イベント(7月4日)で語り合う

7月4日、映画「憲法と共に歩む」製作委員会は東京・伊藤塾を会場に『戦争をしない国 日本』出版記念イベントを開催しました。映画「憲法と共に歩む」製作委員会はこのたびブックレット『戦争をしない国 日本』を出版しました。今回のイベントはこのブックレットの出版を記念して開催し、100名を超える方々が参加し、憲法の力、国民の力を歴史的に検証し合いました。
  イベントでは、映画「戦争をしない国 日本」(短縮版)の上映、「九条の会」事務局を担当する渡辺治・一橋大学教授による講演「国民は憲法とどう向き合ってきたか」が行われました。
  渡辺教授は冒頭、憲法は、国民が権利や平和を守り主張する中で、その「武器」としての役割を果たしてきたこと、すなわち「憲法が国民の営みによって60年間育てられ、かつ現実に力あらしめられた」ことを述べ、その具体的な経過を3つの時期にわけて分析されました。
  第一の時期は憲法制定後1960年までです。憲法の制定を歓迎した国民は1950年代に保守支配層が憲法「改正」を推進しようとしたことに反発し、憲法擁護運動が広がり60年安保闘争を経て、政府はその後憲法「改正」を真正面から唱えられない状況がつくられることになりました。
  第二の時期は1960年から1990年までです。この時期国民は国会や裁判で憲法を使うようになり、自衛隊の膨張の抑制などを進めるとともに、女性差別の解消や生存権の確立など様々な憲法上の権利を前進させてきました。
  第三の時期は1990年から今日までです。グローバリゼーションが進む中で、アメリカと財界から軍事大国化の要求が強まり、1990年の湾岸戦争を期に、その後憲法9条の解釈改憲が進められ、いよいよ安部政権の下で憲法「改正」が具体的な課題となってきています。
  渡辺教授は、大要以上のように分析しつつ、同時に今日憲法「改正」に反対する世論と運動が新たに広がっていることを示し、そこには「新しい時代への変化の兆し」も見受けられること、また憲法9条をアジアの平和保障秩序にしていく視点ととりくみが求められること、などを最後に述べ、講演を締めくくりました。
  今回のイベントでは、国際線パイロット・山口宏弥さんと客室乗務員・宮井可奈子さんが航空の現場からみた憲法「改正」問題について、ピースボートの松村真澄さんが諸外国の人たちの日本国憲法9条への見方などについて発言され、参加者が憲法を多面的に考える重要性を感じることになりました。
  映画「憲法と共に歩む」製作委員会は、今回のイベントを契機に、全国各地で映画「戦争をしない国 日本」の上映運動とブックレット『戦争をしない国 日本』の普及を進め、憲法の力、国民の力を歴史的に検証する議論をいっそう広げていくことにしています。

【イベント参加者の主な感想】
<渡辺教授の講演への感想>
・憲法は権利のために立ち上がり、使用しなければならない。そのために強い武器であることがよく理解できた。
・国民の憲法に対する意識の中で最も欠けているのは、憲法が自分達の暮らしを一番根底のところで支えているということの認識だと思います。単なる政治の問題ではなく生きる上での問題として考えさせていただけて、本当によかったと思います。
・憲法がどのような60年を歩んできたのかをわかりやすくお話いただき、あらためて9条や21条、25条などが持つ力を考えることができました。そして25条の危機にある現実に働きかけていくことが憲法を守り、力として使っていくことにつながるということを具体的に頭の中に描けました。
・最高の迫力で素晴らしい講演でした。9条の力のすごさを実感。憲法を活用しようという勇気とやる気が湧いてくる。
<山口さん・宮井さんのお話への感想>
・世の中にあまり知らされていないエピソードや民間機が軍用機になる話など、本当にひきつけられた。この話がもっと世間に知られれば、旅をする人たちが9条を考えるきっかけになると思います。
<松村さんのお話への感想>
・「九条世界会議」を何としても成功させたいものです。そんなことを強く感じました。
2007/7/9


 
企画:橘祐典、片桐直樹、大澤豊 
第一篇監督・脚本:片桐直樹 90分 短縮版

<成功させる会呼びかけ人代表>
小山内美江子(脚本家) 伊藤 真(「伊藤塾」塾長) 香山リカ(精神科医) 鬼追明夫(元日弁連会長)  品川正治(経済同友会終身幹事) 橘 祐典(映画監督) 辻井 喬(作家) 山田洋次(映画監督)

 
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